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  [企業訪問] オズ・サイクル
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  眉をひそめてやってきたお客さんが、ニコニコしながら帰って行くのが見たい

オズ・サイクル 代表 大橋直人さん


自転車のこと、修理のこと、好きなバイクのこと…。
しゃべり出したら止まらない、という勢いで、熱心に話してくださる大橋さん。一見ぶっきらぼうな口調の中に、研究熱心で仕事熱心、お客さんが喜んでくれれば時に利益を度外視してしまう、「親切で面倒見のいいお兄ちゃん」の姿が垣間見えました。


 





大橋直人さん

 

●バイクが無理なら、とひらめいた車いす修理

 最初はバイク屋さんに勤めておられたそうですが、その店は、「リッターバイク」と呼ばれるような大型バイクのカスタマイズがメインの趣味性の強い店で、面白いことは面白かったけれど、「壊れたから修理して、っていうのはほとんどないんです。カスタム化が中心だから。マフラーを交換したいとか。そういうのはぼく的にはやりがいがなかった」

 しかもバイクの整備士として採用されるのは、18,9歳が中心という業界。25歳だった大橋さんがこのまま仕事を続けていくのは無理だと感じてもいました。

 ちょうどその頃は「福祉元年」と言われ始めていた時代。「そういえば車いすってどこで直すんだろ」と気づいたのが、「自転車・車いすの出張修理」という、今の仕事をするようになったきっかけとのこと。バイクと車いす、違いすぎませんか?と聞くと、「同じ二輪だから。単純にそれだけ」と、あっさりした返事が返ってきました。







●「車いすを修理してくれるところがない」という現実
 
 その気になって車いす周辺のことを調べてみると、案の定、「車いすがどこで修理できるか、なんて誰も知らない」。自転車屋さんに持ち込まれることもあるようですが、車いすと自転車では部品などの仕入れルートが違うので、ちょっとした(でも不可欠な)部品などがなくて修理できない場合が多く、そのせいもあり、自転車屋さんでは面倒がって受け付けてくれないことがほとんど、という事情がわかってきたそうです。(最近は車いすをレンタルしている人が多く、そういう場合はレンタル屋さんがすぐ交換してくれますが、購入してしまうと自分でメンテナンスしなければならず、利用者にとっては不便なことが多いとか)




●自転車の修理も難しい時代

  一方、自転車の場合も、最近は「自転車の量販店」とも言うべき、ロードサイドの大型店で驚くほど安く買えてしまうようになりました。そのあおりで、町の自転車屋さんはどんどんなくなってしまう。そういう大型店では修理はしてくれない、そもそも修理のできる人を置いていない。してくれる店があったとしても、できるのは新しい型の自転車だけ、ちょっと古くなると、もう手が出せないから買い替えを勧められてしまう、ということになってしまいがちです。大橋さん曰く、「自転車はパーツがJIS規格で決まっていることが多いからいくらでも融通が効くのに」技術を持っている人がだんだん少なくなっているのは本当に残念、とおっしゃいます。






●自転車の勉強がベースに

 大橋さんが「車いすの修理業」をやろう、と思い立った時に、まず実行したのが、バイク屋さんから自転車屋さんへの転身。その店で、新車の組立てから中古車の整備から、何から何までを手がけ、店では誰も持っていなかった「自転車安全整備士」と「自転車組立整備士」(現在の「自転車技師」)の資格を取り、4年弱で「自転車のことは全部わかった」と言えるまでになりました。

 車いすの修理に関する資格というものはない(日本には存在しない)そうですが、この自転車とバイクに関する知識と技術、加えて「小さい頃から、どういう構造をしてるのか、を知るのが好き」という性格が総合されて、「豊中では僕しかいない」自転車・車いすの出張修理屋さんが誕生したのでした。




●USJに呼ばれて

  車いすの出張修理で忘れられないのは、ある夜にUSJのオフィシャルホテルからかかってきた電話。修学旅行でUSJに来た子の車いすがパンクしてしまい、添乗していた旅行社の人がネットでオズ・サイクルのホームページを探し当ててSOSしてこられたそうです。

 そのトラブルは結局のところ、パンクではなく、修学旅行だからと乗ってきた新品の車いすの初期不良のような空気もれ(よくあるらしい)で、ムシの交換だけで修理完了。添乗員さんに説明し、担任の先生に説明し、教頭先生にまで説明して、1時間以上拘束されたけど、やったことはムシの交換だけなので、500円にしかならなかったそう。「でも、その子が修学旅行楽しんでくれたら、まあいいかと」と笑う大橋さんです。


 
●お客さんというより「身内」の気持ちで

  今の自転車に比べると、昔の自転車は重く、それだけ丈夫だったそうです。若い頃買った自転車に乗り続け、60代以上になった今、ようやくちょっとガタがきて修理しようか、買い替えようかと迷っている方も多いでしょう。そんな方、中でも女性に大橋さんがいつも言うのは、「今の自転車は軽い。簡単にこけますよ。女性には骨粗鬆症も多いんだから、こけたら取り返しのつかないことになるかもしれない。乗り馴れた自転車のほうが絶対にいい。普通なら6,000円かかる修理だけど、3,000円でやってあげるから、悪い事は言わないから、買い替えずに修理しなさい」ということです。そうなったら、もう「お客さまと店」って関係じゃない、と大橋さんは考えています。「どっちがその人のためになるかを考えたら、そう言うしかない。修理代が取れればいい、売れればいい、じゃないんです」。


 
●お客さんは「納得」したがっている

  近くに自転車屋さんがあるにもかかわらず、オズ・サイクルに修理を頼んでこられる方もおられます。そういう方は、いままでの修理(とその料金)に納得していないからだ、と大橋さんは考えています。だから大橋さんが心がけているのは「説明」と「徹底した原因究明」。

  お客さまが「ここがおかしい」と持ってこられた自転車を見てみると、確かにそこも修理が必要だけど、お客さまの感じている不具合の根本原因はこれじゃないか?と技術者にしかわからないトラブルを発見することも多々あり、そういう時はそちらも改善した上で、お客さんに「言われたところは直しましたが、こことここも、こういう理由で、放っておくとトラブルの原因になりますから、こういう具合に直してあります」ときちんと説明します。

 自転車に乗る人には、男の人も女の人も、力の強い人も弱い人もいます。本当は、その一人一人にぴったり合うように、それこそ「カスタマイズ」するべきなのに、今は「乗る人が自転車に合わせている」のが現状とか。修理したのにどうも乗りにくい、走りづらいと感じている人には、まず目の前で走ってみてもらって何が原因かをつかみ、その人に合うように調整すると、まず全員が、「めちゃめちゃ走りやすい!」とびっくりするといいます。「そういう人は、お宅からウチまでの間に何軒も自転車屋さんがあるのに、はるばる来てくれたりする」んだそうです。



 
●あんまり儲からないけど(笑)、面白い仕事

  自分ではこれで完璧だと思ってお客さまに渡したのに、お客さまはどうもそう感じてないらしい。それはなぜだろう?ということを解明するためだけに、そのお客さまが修理を依頼されたのと同じ、30万円以上する自転車を買ったこともある、という大橋さん。日頃のその研究熱心さと、常に「この人にとって」何が最良か、を求める姿勢が、地道ではありますが、着実にお客さまの気持ちをつかんでいるようです。

 お客さまとのやりとりや、時にはお客さまの依頼に逆らってでも、「あなたのためにはこっちのほうが絶対いいんです」と説得するのも、実に面白い、やりがいのあることだと感じている中で、特に車いすの修理では、相手が、車いすの修理ができることを知らない場合が多いだけに、「はい、できました」と乗ってもらうと、表情が「あっ」とうれしい驚きに変わるのがとても楽しいとのこと。

  修理の終わった自転車や車いすに乗って帰る人の、うれしそうな顔を見ていたら、儲けなんかなくてもいい、と思ってしまうほどだそうです。







 儲けより、利用者の満足を優先してしまう技術者気質のせいか、まだ修理だけで食べていけないのが残念、とおっしゃる大橋さんですが、「本当は、“ウチでしか直せない”状態じゃいけないと思うんです。知識や技術を広く共有して、誰もが、“ここで直してくれる”場所を知ってるようにならないと」と、あくまで視野は広く、意欲は高いのです。

  車いす修理の際、利用者さんを快適にベッドなどに移せるようにと、今は、ヘルパー2級の資格取得を目指しているとのこと。その視線の先には、利用者の利便性・快適さを見つめておられます。



2011.7.28取材 八代田(ライター)



 自転車・車いすの修理専門 「オズ・サイクル」
 ホームページ: http://web-box.jp/o_z_cycle/
 TEL:090-4280-4448
 (大橋直人さん)



 
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