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 [企業訪問] 株式会社 サンオーブン

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 オーブンにもう一度、活躍の機会を与える

(株)サンオーブン 専務取締役 尾向(おむかい)桂子さん


震災を転機に生き方と業態を転換

 「バブルと地震で生き方が変わりました」千里川の側にある(株)サンオーブンに専務の尾向桂子さんを訪ねた私たちは冒頭からお話に引き込まれました。
阪神間でものづくりをする多くの企業にとって、95年の阪神大震災は大きな試練でしたが、(株)サンオーブンにとっては特別な意味を持ちました。

もともとパン用オーブンの製造とメンテナンスを業務としていた同社は、夫である社長と二人でようやく負債を返し終えた頃にバブルが崩壊。厳しい経営状態となっていたところ、追い打ちするように地震で大手の下請仕事がストップ。苦境に立たされました。

それまで経理担当だった尾向さんはそのとき決断しました。「私が営業に出ます」震災3日後、そう宣言した尾向さんは製パン業の年鑑を手に、神戸のパン屋さんに片っ端から電話をかけ始めました。地震の被害で気落ちするパン屋さんに「一緒に機械を直しましょう。とにかく生きていくこと、食べることを考えましょう」と呼びかけました。大きな反響がありました。道路通行許可を取り、溶接機を車に積んで国道43号線を西に走りました。

しかし、現地に着いても電気は止まっています。機械を持ち帰って修理しては、持っていくの繰り返しでした。1年後、修理に訪れたパン屋さんからオーブンを作ってくださいという注文が入り始めました。


 

●ものづくり企業として中古オーブンを扱う

 しかし、小さなパン屋さんにとって、新品のオーブンは決して安いものではありません。そこで、難題を一つ一つクリアして、中古のオーブンを探し始めることになりました。そんなとき、京都で大きなパン屋さんが廃業するというできごとがありました。

その工場にあったトンネルオーブン(片側から入ったパン生地が反対側から焼き上がって出てくるオーブン)やリールオーブン(観覧車のように回転しながら焼き上げるオーブン)などの機械を引き取り、メンテナンス、販売したのを契機に、中古の機械をどんどん売り出しました。こうしてオーブンの製造会社から、中古機械のメンテナンス・販売の会社へと業態を変化させていきました(今も1〜2年に1台程度は製造するそうですが)。

 その後、食品企業の相次ぐ倒産や、エスカレートする衛生管理要求に耐えかねて廃業する年配のパン屋さん、お菓子屋さんから中古機械が手に入るようになり、全国の同業者とのネットワークもできて、オーブンを主力にミキサー、ホイロ(発酵器)、モルダー(成形機)、作業台などの製パン必需品から、イカ焼き機、製氷機などまで、年間1,000台もの機械を扱うようになりました。廃業する工場があると聞くと、厨房機器が得意な会社、什器が得意な会社、ゴミ処理屋さんなどと一緒に出かけて引き取ります。「きれいに空にするのが私たちの仕事」というのが尾向さんの考えです。誰もが助かる仕事です。

  しかし、(株)サンオーブンはブローカーではありません。引き取った機械に油を差し、ベアリングを変え、塗装を施し、できるだけ再生して販売し、アフターケアも面倒を見ます。あくまでものづくり企業。とくに、組立・修理が難しいトンネルオーブンが得意分野で、これを扱えるのは日本でも2〜3社しかありません。「つぶれたメーカーの製品でも直せて、修理が完璧なのはうちだけ」と技術には自信があります。社長はかつて大手の下請けとしてトンネルオーブンの組立・メンテナンスに携わり、「どこのメーカーでも触れるようになれ」と鍛えられた経験がものをいっています。

機械の整備作業










   

●起業するパン屋さんにアドバイス

 (株)サンオーブンは、廃業された店からオーブンなどを買い取り、開業する店に売り、またメンテナンスもするので、うまくいっている店、うまく行かなかった店の両方を見られる立場にあります。

その経験で、パン屋さんを出したいと中古オーブンなどを買いにくる起業家に、アドバイスをすることもあるそうです。まずどこに店を出すのかを尋ね、立地が適当かどうか。店の雰囲気、周囲の雰囲気が大事で、人が止まる場所、例えば駐車場や公園の側がいいそうです。そして坪数・売上目標に応じて適切な機械を勧めています。以前聞いた話では、開業資金に余裕のないパン屋さん志望の女性に、「それなら機械を自分で磨き」といって、その分安く売ってあげたというエピソードもあるそうです。


出荷を待つオーブン

●落ち込む時間があれば行動する

 尾向さんの目から見て、最近の景気はどうなのでしょうか。昨年の4〜5月頃に動きが悪くなり、一時注文が止まったそうです。その時も、尾向さんは焦らず、懸案だったホームページの改良に着手しました。今は、ホームページに在庫の製品、商談中の製品、リクエストのある製品が掲載されて、確認できるようになりました。

 リース屋さんからは今も毎日買い取りの情報が流れてきます。最近は買い取りの話が多く、銀行融資がストップすることで、パン屋さんの開業が止まっているというお話です。


 食品業界を眺めても、流通業界からの衛生管理要求はますます厳しくなり、「異常な過剰設備が求められる苦難の時代」ですが、落ち込んでいても仕方ないと考える尾向さんは常に動くことを考えておられるようです。「今は変わる時期。こういう時代こそ英雄が現れる」あくまで前向きに現在をとらえて、社長は作業に、専務は営業に、全国を走り回っておられます。

 尾向様、ご多忙のところ、取材へのご協力ありがとうございました。

  「会社は人間が勝手につぶすもの。そのために機械を簡単につぶすのはもったいない。もう一度使ってあげたい」という言葉にものづくりを大切にする気持ちを感じました。  


                                            2009.1.26 濱名


(株)サンオーブン本社
   

 株式会社サンオーブン
 豊中市走井2丁目2番23号
 ホームページ: http://www.sunoven.co.jp/
 FAX: 06-6844-0690
 (専務取締役 尾向桂子氏)

 

●IMの目:とよなかインキュベーションセンター 奥田三枝子

 今回、お話を伺った尾向(おむかい)専務。常に「今できることは何か」を考えていらっしゃるとのこと、そして思ったら即行動!
この繰り返しで今があるとのことです。「まぁ、次から次へ色んなことがありますよ」と笑っていらっしゃいましたが、尾向専務にかかると、困難が困難でなくなるような、全て笑い飛ばしていらっしゃるような、そんな明るさ、たくましさを感じました。
そこには、もちろん驚くような努力があるのですが、ちっとも周りに辛さを感じさせない雰囲気は、見習わなければいけないなと感じた取材でした。
尾向専務、そしてサンオーブンのみなさま、お忙しい中ありがとうございました。

2009.1.26取材

 
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