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  不動産コラム
 


        不動産鑑定士 深澤俊男のコラム

Dr.Toshiの都市コラム 〜都心商業地の地価〜



第5回・・ 新しい地価情報 〜 不動産の取引価格情報 〜

 前回までのコラムにて、地価公示、地価調査などの公的地価、また新しいタイプの「地価LOOKレポート」についてみました。これらの情報は地価公示法などを根拠法としてその制度が作られ、国または地方公共団体により発表されています。ただし、これらは制度上作られた加工済の情報で、不動産価格に関する一次情報(いわゆる“生”情報)ではありません。私は長く不動産業界に係わっていますが、この業界に入った頃は不動産の情報、特に取引内容に関する情報は収集するのがとても困難で、それ自体が秘匿性の高いものでした。そんな常識を打破するような制度が約10年前に始まったことをご存知でしょうか。今回はその「不動産の取引価格情報」について見ていくこととしましょう。

 

■ 「不動産の取引価格情報提供制度」とは

 国土交通省土地・建設産業局では不動産市場の信頼性・透明性を高め、不動産取引の円滑化、活性化を図るため、実際に行われた取引の価格を、ご回答者の氏名、会社名等は削除し、物件の詳しい所在と詳しい面積をわからないようにして、国土交通省ホームページ(http://www.land.mlit.go.jp/webland/top.html)で公表しています。 これが平成18年4月から始まった「不動産の取引価格情報提供制度」です。
 ちなみに、この情報源は以下の3つの流れに従ったアンケート調査によって集められます。
  STEP1:登記情報に基づき国土交通省より、不動産の購入者に対し不動産取引のアンケート調査票を送付します。
  STEP2:購入者に、その調査票の必要事項を記入・返送してもらいます。
  STEP3:提供された情報に基づき、個別の物件が容易に特定できないように加工して公表用データを作られます。

 

「不動産の取引価格情報」の実例

 豊中市内の市役所付近を例にとりましょう。
 検索サイトで「取引価格情報制度」と入れて検索すると、トップ画面に、下記のような国土交通省の土地情報システム「不動産の取引価格情報提供制度」が現れます。


                                                                      (出所)国土交通省HP
※上図をクリックすると国土交通省のページが開きます。

 この中の、左肩にある、不動産取引価格情報検索の箇所をクリックすると、見たことのあるサイトが現れます。そう、過去のコラムで紹介した地価公示の際に利用した画面ですね。それを豊中市役所辺りまで進めていき、豊中市役所付近をクリックすると、赤網掛けで範囲設定され、水色の四角枠が示された、以下のような画面が出てきます。


                                                                      (出所)国土交通省HP
※上図をクリックすると拡大します。

 これによると、赤枠で範囲設定された地区(豊中市中桜塚地区)では、平成27年1月から同年12月までの4四半期において、土地取引件数が59件、取引価格情報が4件あります。ちなみに両者の差は前記アンケートにより価格を把握できたか否かによります。
 また、この水色の四角囲みの中の詳細表示をクリックすると、この4件の具体的な内容が以下のように示されています。


                                                                      (出所)国土交通省HP
※上図をクリックすると拡大します。

  一つ目の取引価格情報を例にすると、以下のような情報がわかります。豊中市中桜塚にあり、最寄駅は岡町で徒歩10分に所在します。面積は50uで、取引総額が1400万円(坪当り98万円、u当り30万円)で、不整形な形状の土地です。また、前面道路は南東側を15mの国道に面しており、かつ、近隣商業地域(建ぺい率80%、容積率300%)に所在します。さらに、平成27年7月から9月までの間に取引されました。

 

■ 「不動産の取引価格情報」の特長

 この取引価格情報には、以下の特長があります。
  ○一定の区域設定された範囲内、時期設定された期間内の、取引価格情報を自由に抽出することができること
  ○不動産取引における“生”の情報を知ることができること
  ○誰もが、いつでも、どこでも、無料でその情報を得ることできること

 これまで、いわゆる“生”情報は、取引当事者のほか不動産業者など一部の方々しか把握できない秘匿性の高いものでした。冒頭にも言いましたように、これまで日本の不動産市場では不動産価格に関する情報が得にくい状況にあり、一般消費者にとってただでさえわかりにくいものがさらにわからない状況が続いていました。これが不動産取引の透明性を阻害しているとの指摘もありましたが、現在では、特定できないように加工してあることを前提にしているものの、取引情報に誰もがアプローチできる状況になったことは画期的なことです。
 ただし、これらの情報そのものについて、その存在自体を多くの方々がまだご存知ないという場面に遭遇することが度々あります。その点、個人的には残念に感じており、このような機会のあるたびにお知らせしております。
 是非、国土交通省のHPをご覧いただき、気になるエリアについて、“生”の不動産価格情報及びその内容をチェックしてみてはいかがでしょうか。

 次回は、不動産の鑑定評価についてご紹介する予定です。

(次号へつづく)

※このコラムでは、読者の方により理解していただけるように、わかりやすく表現を改変している箇所があります。したがって、厳密に正しい表現でない箇所が含まれておりますのでご注意ください。

※深澤俊男の略歴
 深澤俊男不動産鑑定士事務所 代表
  http://www.fukazawakantei.com
  株式会社アークス不動産コンサルティング 代表取締役社長
  http://www.arc-s.biz

 詳しい経歴はこちら

 

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