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  不動産コラム
 


        不動産鑑定士 深澤俊男のコラム

Dr.Toshiの都市コラム 〜都心商業地の地価〜



第4回・・ 新しい地価情報 〜地価LOOKレポート〜

  前回までのコラムにて、地価公示価格などのいわゆる公的地価についてみてきました。これらの情報はかなり長い歴史を持っており、例えば、地価公示制度は、1969(昭和44)年に制定された地価公示法に基づき、1970(昭和45)年より実施されています。ただ、地価公示については1月時点の地価が3月下旬に公表されるなどの現状に鑑み、より早く地価動向を知りたいなどのニーズに応えるため、新しい地価関連情報が実施されています。今回はその一つである「地価LOOKレポート」について見ていくこととしましょう。

■ 「地価LOOKレポート」とは

 平成27年11月27日に、国土交通省は平成27年第3四半期主要都市の高度利用地地価動向報告の結果を公表しました。この主要都市の高度利用地地価動向報告を通称、地価LOOKレポートと呼んでいます。
 この報告は、主要都市の地価動向を先行的に表しやすい高度利用地等の地区について、四半期毎に地価動向を把握することにより先行的な地価動向を明らかにするもので、平成19年第4四半期から継続して公表されています。調査内容は、鑑定評価員(不動産鑑定士)が調査対象地区の不動産市場の動向に関する情報を収集するとともに、不動産鑑定評価に準じた方法によって地価動向を把握し、その結果を国土交通省において集約します。
 対象地区は、三大都市圏、地方中心都市等において特に地価動向を把握する必要性の高い地区となっており、平成27年第1四半期からは東京圏43地区、大阪圏25地区、名古屋圏9地区、地方中心都市等23地区の合計100地区となりました。これを用途別に分けますと、高層住宅等により高度利用されている住宅系地区が32地区、店舗、事務所等が高度に集積している商業系地区が68地区設定されています。 
 なお、地価公示や都道府県地価調査に比べ、その対象範囲は限定的ですが、地価動向を先行的に表しやすい高度利用地等のみを抽出・選定し、また速報性を重視したもので、その内容や役割がやや異なっています(下記参照)。


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全国の地価動向

 国土交通省HPによると、以下のようにまとめられています。
 平成27年第3四半期(7/1〜10/1)の主要都市・高度利用地100地区における地価動向は、上昇が87地区(前回87地区)、横ばいが13地区(前回13地区)、下落が0地区(前回0地区)となり、上昇地区は全体の約9割となっています。
 この上昇基調が継続している理由としては、大都市圏を中心に、空室率の改善等によるオフィス市況の回復基調が続いていること、訪日客の増加に伴い店舗・ホテル等の需要が高まっていること、大規模な再開発事業が進捗していること等を背景に、金融緩和等による良好な資金調達環境と相まって法人投資家等の不動産投資意欲が引き続き強いことなどが考えられます。
 このように、今回の地価動向は、上昇地区数が前回と同程度(全体の約9割)を占めるなど、上昇基調の継続が見られます(以下参照)。


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■ 豊中市付近の地価動向

 国土交通省において設定している大阪圏内の区域は13地区ですが、豊中市については1地区設定されており、具体的には下記の地区です。なお、比較のために吹田市を併記いたします。


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 豊中市については、平成27年7月1日から同じく10月1日までの四半期においては、地価は0%以上3%未満の上昇傾向を示しています。直近の1年(4四半期)においてこの傾向は変わりません。また、吹田市についてもほぼ同様の傾向を示しております。


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 さらに、各エリアにおける取引価格等の市況のトレンドを示したものも公表されています。ここでは、A.取引価格:対象地区の不動産(土地又は土地・建物の複合不動産の土地に相当する部分)の取引価格、B.取引利回り:対象地区の不動産(土地又は土地・建物の複合不動産)の取引に関する利回り(純収益を取引価格で除した値)、C.取引件数:対象地区の不動産(土地又は土地建物の複合不動産)の取引件数、D.投資用不動産の供給:投資用不動産(賃貸収益を目的とする貸しオフィスや貸しマンションなど)の供給件数、E.オフィス賃料:商業系地区におけるオフィス賃料、F.店舗賃料:商業系地区における店舗賃料、G.マンション分譲価格:住宅系地区における新築マンションの分譲価格、H.マンション賃料:住宅系地区における賃貸マンションの賃料の8項目がその対象です。下記は、平成27年7月1日から同年10月1日までの動向(上昇・増加、横ばい、下落・減少)が記載されています(以下参照)。


※表をクリックすると拡大します。

 

■ 地価LOOKレポートの特長  

 この地価LOOKレポートには、これを評価した鑑定評価員のコメント及び主な項目の概要が追記されていることや、ヒアリングに応じて頂いた地元不動産業者の声の一例も一部掲載されていることから、既存の公的評価との違いとして、取引現場のさらに詳細な状況を反映した定性的な観点での動向が分かり易くなっていることが特長として挙げられます。なお、これらはインターネットで公開されており、不動産事業に関わる方々のみならず、広く一般の人々も閲覧可能です。また、限定された地区ではあるものの特に高度利用地に焦点を絞っていること、地価公示や地価調査等に比べて発表までの期間が短いこと、四半期毎という頻度で公表されることなどから、これまで以上に高度利用地に関しての地価動向をいち早く把握することが可能です。
 是非、国土交通省のHPをご覧いただき、気になるエリアについて、いち早く地価のトレンド及びその内容をチェックしてみてはいかがでしょうか。

 次回以降は、また、別の新しい地価情報をご紹介する予定です。

(次号へつづく)

※このコラムでは、読者の方により理解していただけるように、わかりやすく表現を改変している箇所があります。したがって、厳密に正しい表現でない箇所が含まれておりますのでご注意ください。

※深澤俊男の略歴
 深澤俊男不動産鑑定士事務所 代表
  http://www.fukazawakantei.com
  株式会社アークス不動産コンサルティング 代表取締役社長
  http://www.arc-s.biz

 詳しい経歴はこちら


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