「あなたも嬉しい 私も嬉しい」、そんなイベント企画の仕事がやりたくなったんです。

――田中さんは、豊中に長くお住まいですよね。
そうですね。豊中に住んで20年になります。服部、北桜塚、今は本町です。
――その間ずっと、会計のお仕事をされていたんですか?
会社員として働いていた頃は、経理事務。次に、リクルートで編集の仕事。で、退職してから、会計事務所に勤めたり、在宅で会計の仕事をしてきました。
でも、会計の仕事だけやってきた訳じゃなくってね。ある時お客さんから売り上げの相談を受けて、でも、私は税理士の資格を持っていないから、そういう面での相談はお受けできない。それでも、何かしてあげたくて、「じゃあ、簡単なチラシでよかったら作りましょうか」ってチラシを作ったんですね。ちょうどパソコンが出始めた頃だったし、編集の経験もありましたから。そうしたら、「田中さんのチラシのおかげで売れたよ!」って言ってもらえて。それを聞いて「楽しい!」って思ったんです。
――ほたる企画さんが掲げている「個人商店応援」のきっかけですか?
そうですね。大きな会社の経理だと、全体が見えなかった。けど、個人商店だと、そこの家庭の事情も含めて、全部見えるんですね。「4月に子どもが高校に入るからお金かかる。設備投資、どうしたらいいでしょう?」なんて。チラシをつくるとか、売り上げアップのアドバイスをするとか。そういうソフト面での応援が楽しいと思ったんです。
――イベント企画をしようと考えられたのも、何かきっかけが?
市民劇団に入って舞台照明をやったり、舞台技術講座に参加したりしていましたが、豊中市の伝統芸能館で1年、ホール担当として働いたことが大きかったですね。
このホールは、低価格で利用できるということで、「ずっとこんなこと習ってきたけど、一度舞台に立って、人前でやってみたい」という一般の方の発表会にもよく使われていたんです。おばあちゃんが「こんな発表したいんだけど」と相談にこられて、じゃあ、こういう風にしたら舞台できれいになりますよ、なんてアドバイスして。発表会の後「ありがとう」って言われると嬉しくってね。そこでの経験が大きな自信になったし、「あなたも嬉しい 私も嬉しい」、そんなイベント企画の仕事がやりたくなったんです。
――田中さんのいろんな経験がつながって、ほたる企画誕生に結びつくんですね。
いつかは豊中で事務所持ちたいなと思っていて、応募前(5月)にインキュベーションセンターにお伺いしたんですね。「秋ぐらいにでもって考えているんですけど」と言うと、「その時に部屋はないかもしれませんよ」と奥田さんに言われて。締切り間際に応募しました(笑)。
このセンターが蛍池公民館だった頃、市民劇団で7年利用していたんです。私にとっても馴染みの場所で。だから、「あそこに戻ったの」と知り合いに言えるのも嬉しいですね。
――最後に、ほたる企画さんが大事にされている言葉があるとお聞きしたんですが。
「笑顔、親切、地域密着、人は財産」!
――田中さんそのもの、のような気が…(笑)。ありがとうございました。

キャラクター「ほた郎」
2005.10.13